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いついたるねん(オガツカヅオ) [小学館]

※2006-07-28のエントリ(消去済み)に画像をプラスして加筆、修正したものです

子供の頃から霊感が強く
普通の人には見えない霊が見えてしまう若い主婦と
成仏できずに(のちに成仏しても)現世にとどまる
関西弁の少女の霊が、
新たな成仏できない霊たちと出会い
関わらないつもりが大きく関わってしまう・・・という
短編連作集です。

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(別冊ゴルゴ13No.140より)

悲しい霊が多く
暗くなりがちな展開にもかかわらず、
明るく元気な少女の霊と主人公の優しさが相まって
読後感は良かったです。

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後の作品を見てもホラー作家という感の強いオガツ氏ですけれど、
本作はホラーにプラスされたユーモアや情のバランスが良く
誰にでも勧められる漫画になっていたように思います。

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そもそも掲載誌のビッグコミック増刊は
岡崎二郎氏や高瀬理恵氏の作品目当てで買っていたのですが、
途中からは本作が一番の楽しみになっていました。

別冊ゴルゴ13にも載ったりしたので
単行本に出来る分量はあると思います。
が、
残念ながら
いまだ単行本化されておりません。

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ただ、
オガツ氏の作品は
ここのところ朝日新聞出版の『ネムキ』『シンカン』で掲載されているので
そちらからの『いついたるねん』単行本化も少し期待しております。

画像は(c)小学館・オガツカヅオ


眠れぬ夜の奇妙な話コミックス りんたとさじ (ソノラマコミックス 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

眠れぬ夜の奇妙な話コミックス りんたとさじ (ソノラマコミックス 眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)

  • 作者: オガツ カヅオ
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/10/07
  • メディア: コミック



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クールガイ 孤高の芦毛馬(KEN-G) [小学館]

現在も行われている小学館新人コミック大賞

その第52回一般部門入選作品です。

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今では青年部門に統合されてしまったため
ビッグコミックと同オリジナルしか読んでいない自分としては
受賞作の扱いが
どのようになっているのか分かりませんが、
当時の受賞作は
本誌・増刊・別冊ゴルゴ13のいずれかに掲載される事になっており、
この作品は別冊ゴルゴに載ったのでした。

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お話としては
良血で素質もありながら故障つづきでデビューもできない競走馬が
引退(廃用)前にデビューだけはさせてやりたいというオーナーの意向で
お気に入りの女性騎手によってレースに出るという内容でして、
新味はあまりないものの
ほんわかした絵柄と優しいストーリーが好もしい作品でした。

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作者をそれから見かけないなと思っていたら
上鹿渡健二名義(小学館のデータベースもこの名前になっている)で
『東京不動産キッズ』という作品をアフタヌーン誌にて連載されていたようです。


同賞ではこのクールガイの少し前に『岳』の石塚氏、
直後に『深夜食堂』の安部氏が大賞を受賞しており、
その後を見るに付け
大賞と入選・佳作の間にある差みたいなものを感じずにはいられませんでした。

ただ本作の場合
ゴルゴファンか移動中のサラリーマンかというくらいターゲットの狭い
別冊ゴルゴ13が掲載誌だった事もアンラッキーだったように思います。

※画像は(c)小学館・KEN-G
タグ:クールガイ
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かっちぇる(かわくぼ香織) [講談社]

長崎を舞台にした、
背が高いだけがバレー向きで
自分に自信を持てない女子高生が
廃部になっていたバレーボール部を再興するというお話です。

と言ってもスポ根的要素は極めて少なく、
主人公と入部してくる友達との交流が
穏やかに描かれています。
ちなみに
部員の中にオタッキーな眼鏡娘がいるのですが
作者の嗜好が垣間見える発言が多いです。

ただそのネタがほとんど分かってしまう自分も
大概なオタッキーだと再認識しました(汗)。

なお
3巻くらいから絵が上達してきて
桂正和プラス江川達也÷2みたいな画風になりつつあるので、
可愛いけど少々あざとい感じなのが痛し痒しでした。

最終巻の6巻はずいぶんと駆け足で
もうちょっと続いて欲しかったようにも思うのですけれど、
その中でちゃんと後日談まで描かれているので
納得のいく終わり方にはなっています。

打ち切り的終了だと
やけになったような終わり方をする漫画家も多い中、
本作のかわくぼ氏は
読者のことをよく考えていたんだなと思います。

それから
本作の主人公のようなタイプって
大抵の作品ではだんだん成長していくのですけれど、
この杉山さんの成長は
まさに亀の如くでして、
その辺りも特筆すべきかと思われます。


爽やかな青春ものをお探しの方はどうぞ。

(全6巻)


かっちぇる 1 (月刊マガジンコミックス)

かっちぇる 1 (月刊マガジンコミックス)

  • 作者: かわくぼ 香織
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/06/17
  • メディア: コミック



タグ:かっちぇる
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その後のゲゲゲの鬼太郎(水木しげる) [扶桑社]

現在でもアニメが好評放映中のゲゲゲの鬼太郎ですが、
夢子編(第三期)くらいから見ている方だと、
原作漫画を読むとびっくりされるかも知れません。

先日放送が終わった墓場鬼太郎のような
残酷でシュールかつユーモラスな話が多く、
颯爽と武器を使い仲間と一致団結して
悪い妖怪と戦うのは少年漫画誌連載分くらいだったりします。

本作はその中でもさらに異色というか異端であり、
アダルト&脱力的世界観が繰り広げられています。

中でも
本作もレギュラー出演のねずみ男が
猫娘と最後の決着をつける話などは
ダークな面白さがありました。

ある意味イメージが違ってしまうような作品ですけれど、
鬼太郎人気に乗じて再販して欲しいと思っております。

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その後のゲゲゲの鬼太郎 (1) (扶桑社文庫)

その後のゲゲゲの鬼太郎 (1) (扶桑社文庫)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: 文庫



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少女ファイト(日本橋ヨヲコ) [講談社]

バレーボール漫画好きとしては、
久々に期待できる作品が登場しました。

基本設定自体は
好選手だった姉が事故で死んだとか
幼馴染との三角関係など新味に欠けており
周辺も理事長の息子とか何だかなぁという感じなんですけど、
話と絵柄に勢いがあってなおかつ熱いので
読んでいてとても面白いです。

三巻なんて本筋に入る前なのに脱線しており、
覆面地下賭けバレーボールなんて引いてしまいそうな内容にもかかわらず、
読んでいると楽しめるから不思議です。
これも肝心のバレーボールの場面を
しっかり描けているからかなと思います。

登場人物の名前が古風(志乃とか)なのも個人的には好みです。

ただ、4巻が通常版と特装版の二種類なのはいただけません。

この商法は「二十世紀少年」CD付きや
「攻殻機動隊2」マウスパッド付き頃から目立ち始め
今では珍しくも無いやり方なんですが、
本作のは書き下ろし漫画が付いてるだけに
買えないと辛いというか・・・。

それぞれ表紙の絵柄が違うのは、
ちょっとたちが悪いと思います。


少女ファイト(1) (イブニングKCDX)

少女ファイト(1) (イブニングKCDX)

  • 作者: 日本橋 ヨヲコ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/07/21
  • メディア: コミック



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